nobuの雑記帳「+バイアスを少し」

近頃なぜか真空管や電子工作に興味を持ちだし、日常生活に少しの刺激と楽しみをプラスしようと、凝り固まった頭の体操も兼ねてこの雑記帳を綴ることにしました。
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簡易トラッキング電源の基本回路について

 拙いこのブログに、「トラッキング電源」を検索ワードに訪問される(迷い込む?)方が、何故か時々いらっしゃいます。

 実験用DCトラッキング電源は、私が電子工作を始めた初期に製作したもので、(今でもそうですが)理屈も原理もわからないままに、あちこちの作例を参考にしたお粗末なものです。
 もしかしたら、当時の私と同じように、簡単なトラッキング電源の製作にトライされる方がおられるのかも?
 そこで、簡単なトラッキング電源の基本回路を説明してみようと思います。
 
 ベテランさんは笑って無視して下さい、初心者の方に一寸でも参考になれば幸いです。

基本回路 ブレッドボード


1.トラッキング電源の仕組み
 (1) トラッキング電源とは
   正負両電源で、片方の設定電圧に他方が追従する電源です。これには色々な方法があると思いますが、簡易版を一例としてその仕組みについて、私の乏しい知識でご紹介します。

 (2) 先ずオペアンプの特徴
   オペアンプ(OPアンプ)を使ってトラッキング制御を行います。OPアンプの約束事は次のとおりです。
   ・フィードバックループを含めて、2つの入力(+:非反転入力と-:反転入力)が同電位となるように出力を制御する。
   ・出力から入力へのフィードバックの大きさ(抵抗比)で増幅度が決まる。

 (3) トラッキング電源の基本回路
   基本回路は次のとおりです。これは、DC±18Vを受けて、出力として0~±15Vを得るための一例です。
   OPアンプのフィードバックループに、3端子レギュレータが入っていることが特徴で、トラッキング動作の大まかは以下のようになります。

トラッキング電源の基本回路(その1)

  ① シャントレギュレータTL431で2.5Vを作り、10kΩ可変抵抗で0~2.5Vの基準電圧VrefをOP1/2の+入力に加えます。

  ② Vref=2.5Vに設定すると、3端子レギュレータ7812の出力電圧+Voutは100kと20kで分圧され、-入力には+Vout×20/120が戻りますが、両入力は同電位となるため+Vout=2.5V×120/20=15Vとなります(なるようにOP1/2で制御されます)。OP1/2回路の増幅率は15V÷2.5V=6倍で、1+100k/20k=6倍と計算でも出ます。

  ③ OP2/2の+入力はGNDレベルです。OP2/2の-入力には、+Voutと-Vout間電圧を100kΩ抵抗2個で1/2分圧した電圧が返され、両入力が同電位となるように、-Voutは-15Vとなります。すなわち-Voutは+Voutにトラック(追従)することになります。

  ④ Vrefを変化させると、同じ理屈でVoutは0~±15Vで変化します。


2.作動の一例
  上記の基本回路をブレッドボードに組んで作動を確認しました。また、ちょっとした変形回路もあります。

 (1) 基本回路(その1)
   上記の基本回路そのままで、3端子レギュレータは+用に7812A(12V型)と-用に7912A(-12V型)を使用しました。

基本回路(その1)仮組み

  ① 外部電源から±18Vを入れて、出力電圧は0.003V~±15.1Vが可変出来ました。正負電圧の差は最大約0.08V程度で、抵抗の精度や各部接触抵抗が影響し、誤差が大きく出ています。

  ② この回路での3端子レギュレータは、いわゆる定電圧素子ではなく、単なる電流ブースタ素子としてオペアンプ出力のブーストをする役割です。そのため、3端子レギュレータは定格電圧は問いません。78**シリーズと79**シリーズの組み合わせであれば、(多分)何でもOKです。試しに、7805(5V型)と7912(-12V型)を組み合わせても同じように作動しました。

基本回路(その1)仮組み_#2

  ③ 3端子レギュレータは、短絡保護、過電流防止、オーバヒート防止等の機能はそのまま生きるので、使いやすいと思います。

 (2) 基本回路(その1 変態バージョン)
   実は、3端子レギュレータでなくても、普通のトランジスタでも作動します。トランジスタを電流ブースタ素子として使用することになります。

  ① 試しに、+電源を7812から2SD1763に交換しました。全く問題なくトラッキング動作をします。

トラッキング電源の基本回路(その1 変態バージョン)  基本回路(その1 変態バージョン)仮組み

  ② 好みで両方共トランジスタ(-側は2SAや2SB型)でもOKです。その場合は特性が似たもので、電流増幅率hFEが比較的大きなものにするかダーリントン接続として下さい。なお、トランジスタの場合は短絡時の保護機能は無いので、別に保護回路が必要です。

 (3) 基本回路(その2)
   更に部品を減らす事も出来ます。出力電圧の検出抵抗を1個減らした回路で、同じように働きます。

トラッキング電源の基本回路(その2)  基本回路(その2)仮組み

  ① (その1)との相違点は、OPアンプへのフィードバック検出用分圧抵抗のGNDポイントです。

  ② 本来のGNDポイントがOP2/2の-入力に接続されています。ここはOP2/2の+入力と同電位(GND)となるので、結果としてこれでも正常に作動します。抵抗の値に気を付けて、回路の働きを読めばわかりやすいと思います。


3.注意
 (1) トランジスタや3端子レギュレータの耐圧、電流、放熱(ヒートシンク)には、十分に注意、対策して下さい。

 (2) OPアンプの電源は、入力電源から直にもらっているため、動作電圧範囲に注意して下さい。なるべく動作電圧が高いOPアンプ(一般は±18V程度、NJM5532やNJM2214は±22V)を使用してください。

 (3) 上記の回路のままでも、小規模の実験用には十分に使用できると思いますが、各部の定数や周辺回路を工夫すれば、簡単・便利なトラッキング電源が出来るでしょう。

 (4) 上記の動作説明は、専門家の方から見ると非常識な表現かと思います。初心者の方は、正しい知識や細部については専門書等をお読み下さい。

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