nobuの雑記帳「+バイアスを少し」

近頃なぜか真空管や電子工作に興味を持ちだし、日常生活に少しの刺激と楽しみをプラスしようと、凝り固まった頭の体操も兼ねてこの雑記帳を綴ることにしました。
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平衡型FET差動ラインアンプの製作(その1)

 現在、マイ(貧弱)オーディオでは真空管(6DJ8)式差動ラインアンプを使用していますが、FET式のものも欲しいなぁなどと思い、暇だし作ってみようかということになりました。
 ということで、FET差動ラインアンプを製作するべく、ぺるけさんの記事を参考に細部の検討や部品集めが完了したところで、いきなり気紛れな方針変更が発生しました。
 ぺるけさんのHPで平衡型FET差動ラインアンプVer2に目移りし、「平衡型」という甘い言葉に飛び付いてしまいました。かく言うわたくし、繋ぐべき平衡型オーディオ機器は一つも持っていないんですけど。
 いつものとおり製作では、なるべく費用をかけずに長く使用できるものにしたいと思います。さあ製作開始!気分が乗っているところで、平衡型ラインアンプと内蔵平衡型ヘッドホンアンプの基板組立までを終わりました。
  Board_Assy_&_Canon_Connector.jpg

 
  

1.回路構成
 ラインアンプの基本部分はぺるけさんの記事そのままです。電源部はAC100仕様にして、入出力部は都合に合わせて少し変更しました。入力は3チャンネル、出力も3チャンネルとし、出力の1チャンネルは内蔵の平衡型差動ヘッドホンアンプに接続します。
 平衡型のため、チャンネル切替えにロータリースイッチを使用すると、多数のケーブルが込合うことになり面倒です。よって入出力の切替は全て小型リレーで行います。
 ヘッドホンアンプも基本部分はぺるけさん記事のままです。

2.部品
 (1) ラインアンプ
  FETとトランジスタは選別用冶具を使用して手持ちから選別しました。
  2SK170(GR)は、予想に反してVgs偏差4mV以内(Id=2mA)のクアッドが取れたので助かりました。定電流源の2SK30(Y)は、手持ちの中からIdss=3mA前後のものが見つからなかったので、Idss=4mA程度のものを選別しGD間に小抵抗を入れ、バイアスをかけて3mAになるようにしました。
  キャノンコネクタは一番安価なやつにしましたが、結構お高いですね。入力3チャンネル+出力2チャンネル分のコネクタ及びプラグ、さらにヘッドホン用まで思い切って購入してきました。
  入力と出力はリレー切替とするので、6チャンネル分の左右×HOT&COLDで合計24回路分が必要となります。以前6DJ8差動ラインアンプ製作で使用した小信号用リレー(1回路)の残りが18個ありますが、少し足りません。新古品で入手したので同じものの追加入手は無理でしょう。
  チャンネル数を減らすか別のリレーを購入するか迷いましたが、大いに妥協して秋月の小型リレー(2回路)を12個使用することにしました。小信号用ではないことや信頼性で心配ですが、(費用面で)背に腹は代えられません。まあ何とかなるでしょう。
  ラインアンプに使用するオーディオトランスは、USB DACにでも使用しようと以前入手していたものがありますので、これが使えるといいのですが。

 (2) ヘッドホンアンプ
  2SK170(BL)は、指定ではVgs偏差が6mV以内(Id=2mA)とのことですが、手持ち品は全滅でした。それでも偏差15mV(ペア間は8mV以内)のクアッドが揃ったので、ソース間に調整用半固定抵抗を入れてバランスを取るような回路としました。
  出力段トランジスタ2SC3421/2SA1358コンプリペアは、手持ち品は比較的ばらつきが少なく特性がよく揃っていました。

 (3) ケース
  ケースは例によって洒落たものはいらないので、今回も奥澤の弁当箱シャーシO-8(W350×D250×H60)にしました。これに4mm厚のフロントパネルと取り付けます。


3.基板組立
 ぺるけさんの記事ではタカスのユニバーサル基板を推奨されていますが、慣れない基板アレンジは頭が混乱します(私の頭はユニバーサルじゃないと自覚)。ここは悩まずに、素直にプリント基板を作ることにしました。

 (1) ラインアンプ基板
  回路は素直且つシンプルなので、回路図に倣ってパターンを描けばプリント基板作成は楽です。電源部のリップルフィルターや擬似±電源生成部も基板に同居させました。
  組み上がったプリント基板は写真のとおりです。左右対称ではありません。
  初段(差動)の2SK170(GR)は、DCバランス安定化のためにペア毎にシリコングリスを挟んで銅板で巻いて熱結合させました。
  Balance_FET_Lineamp_Board_assy.jpg  FET_Lineamp_1stFET_View.jpg

(2) ヘッドホンアンプ基板
  ラインアンプよりパーツが多く主役と間違えそうです。これも基板作りは比較的楽でした。ラインアンプ同様に電源部の±擬似電源生成部も基板に載せました。
  組み上がったプリント基板は写真のとおりです。これも初段(差動)の2SK170(BL)は鉢巻きをして熱結合させました。
  Balance_FET_HPamp_Board_assy.jpg


 (3) リレー基板
  単に外部DC12Vで3チャンネル分のリレーを切り換えるだけの簡単な回路です。リレーは2回路型です。
  Lineamp_Relay_Board_assy.jpg


4.オーディオトランスの特性
 平衡型ラインアンプの肝となるオーディオトランスについては、ぺるけさんの記事で細かな留意事項が示されており、完成後のチューニングに先立って事前にトランス単体の特性確認が重要とのことです。
 今回使用するトランスは、日本光電製NTK-1(600Ω:600Ω)というものです。おそらくタムラ製TK-1と兄弟だろうと思われますが、ぺるけさんの記事でもTK-1の特性データが見当たりません。
 タムラのカタログを見ると、TK-1の周波数特性は50~10kHz(偏差0.5dB)となっており、メジャーなTK-10(20~20kHz)と比較すると低域高域共に大きく見劣りします。オーディオアンプに使うには・・・う~んダメかな?

 半分諦め気分でトランス単体の特性計測を行いました。
 自作のDDS周波数特性計測装置を使って、精度は怪しいですが大まかな特性は見ることが出来ると思います。出力インピーダンスを50Ω(公称)としてトランス一次に接続し、二次には負荷抵抗(620Ω、820Ω、1kΩ、2kΩ)をパラに接続します。
 次のグラフが10Hz~1MHzの周波数特性です。予想に反してカタログ値を大きく裏切られた嬉しい結果となりました。負荷抵抗1kΩ程度なら10~20KHzは十分にフラットな特性が得られています。またトランスどうしの特性もきれいに揃っていました。
  NTK-1_Trans Measuring.jpg  NTK-1_Trans.jpg
  NTK-1_2ndLoad_Freq_Charact.jpg

 トランス負荷は700Ω以下で使用するのが良さそうなので、取り敢えずぺるけさんの記事に倣ってトランス二次抵抗を680Ωとしました。負帰還抵抗(4.7k+1.3k)×2とパワーアンプ入力Z=40kとしてトランス二次抵抗を680Ωとすると、負荷は約633Ωとなります。
 最終的には完成後の周波数特性でチューニングすることになります。


5.次の予定
 さあ次はシャーシ加工に取りかかります。
 10個ものキャノンコネクタの孔開けが難儀しそうですが、頑張りましょう。
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