nobuの雑記帳「+バイアスを少し」

近頃なぜか真空管や電子工作に興味を持ちだし、日常生活に少しの刺激と楽しみをプラスしようと、凝り固まった頭の体操も兼ねてこの雑記帳を綴ることにしました。
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アクリル曲げヒータの製作

 進行中のテーマ「超音波レコード洗浄器」の洗浄槽を作る過程で、アクリル板を曲げたい箇所がありそうです。ほんの少しなのでハンダごてか何かで代用できないか?と思いましたが、この際なのでアクリル曲げヒータを製作することにしました。
 ネット上には多くの方が思考を凝らされた製作事例があり参考にさせて頂きました。私の工作範囲では大げさなものは要らないので、コンパクトなものを製作しました。
Acrylic Heater_Outview top


1.目標とする仕様
  厚さ3mm程度のアクリル板が曲げられればいいので小容量ヒータで十分です。多分やらないとは思いますが、将来のアクリル工作にも使用できるように次のような仕様とします。
  ① 曲げ温度160゚Cを得るためにヒータは40W以上、長さは20cm程度
  ② ヒータはDC電源とし、簡単なPWMで温度コントロール(AC100V直は怖い)
  ③ 目安のために温度計を内蔵


2.製作
  さあ作ろう。600W/100Vニクロム線ヒータ、デジタル温度計それにパイプブラケットを購入し、他は手持ち品の活用でいけそうです。

 (1) ヒータと電源の加工
   ニクロム線ヒータの室温抵抗は15.6Ωでした。これを二分割して7.8Ωのヒータとして使用すれば、DC20Vで51.3Wと手頃です。(実際は加熱に伴う抵抗上昇がある)
   DC電源は手持ちのDC16V 4.3Aアダプタを殻割りし、出力電圧を20Vに改造しました。このアダプタは電圧・電流制御にTSM101A Voltage and Current Controllerという専用ICを使用し、シールドもきちんと施されており真面目に作られています。TSM101Aのデータシートを見れば電圧・電流制限の変更は簡単です。今回は電圧設定用抵抗のみを変更し、割った殻を接着剤で復旧しましたが、見てくれがチョット良くないです。
  Acrylic Heater_AC Adapter unit  Acrylic Heater_AC Adapter modified PCB
  Acrylic Heater_AC Adapter re-casing

   電子負荷装置を使用して改造後の出力特性を確認し、無負荷時電圧20.0Vが負荷電流2.0Aで19.8V、3.3Aで19.2Vとヒータ用途には十分です。
  Acrylic Heater_AC Adapter load test


 (2) 温度コントローラ
   定温度制御をする訳でもないため、タイマーICのLMC555によるフィードバックなしのPWMもどきでMOSFETをコントロールします。これでヒータを数%~100%弱の範囲で変化できます。MOSFETはジャンク箱からの救出品BUZ102ですが、できるだけオン抵抗が小さいものなら適当なものでOKです。
   温度コントローラの写真を取り忘れたので、同じ回路で組んだDCモータ回転コントローラ基板の写真です。半固定抵抗を可変抵抗にした違いだけで同じものです。
  Acrylic Heater_Heater controller PCB

 (3) 温度計
   温度の目安を知るために、デジタル温度計(0~999゚C)ユニットを取り付けました。センサがK型熱電対なので応答性は良くありませんが、今回の目的には十分じゃないかと。室内温度計と比較したり沸騰したお湯の温度を測ってみましたが、誤差は殆どありませんでした。熱電対がネジ込み式となっているので、ヒータ外筒のアルミパイプにタップを切って取り付けています。
  Acrylic Heater_Mount of tharmo coupler

 (4) 全体組み立て
   土台となる板っ切れが長さ30cmのものしか手元になく、これがヒータ長を20cmにした理由でもあります。長く組み直すのは後からでもできるので取り敢えず良しとします。
   ニクロム線は8φのガラス編組チューブに入れて、外径12φのアルミパイプに通しました。このチューブはシリコン塗布されていないガラス編組チューブで、柔軟性と耐熱性に優れていますが、切った端からほつれていくので使い難いです。パイプの端で外側に折り返してカプトンテープで止めました。
  Acrylic Heater_Glass tubes
   ニクロム線は全体が均等になるように引き延ばし、熱電対の邪魔にならないように真ん中を少しほどきました。両端は細めのシリコンガラスチューブで引き出し、ハンダ付けできないので圧着端子を取付け、セラミックスタッドを用いてヒータ電源と接続しています。
  Acrylic Heater_Parts for assy  Acrylic Heater_Termination of pipe

   温度コントローラと温度計は小型プラケースに組込んで板の右端に固定し、DC20V電源アダプタは外付けです。MOSFETがケース内にうまく収まらなかったので、小型ヒートシンク(発熱は殆ど無いが)に取り付けて外出ししました。計画性がないのがありありですね。
  Acrylic Heater_Outview front  Acrylic Heater_Outview rear


3.作動確認
  ヒータ(アルミパイプ)の長さが20cmしかないため、室温から160゚Cまでは3分足らずで上昇し、つまみ位置中央で160゚C付近で安定します。最大にすると220゚C以上になる(これ以上は試しませんでした)ので、気を付けないとオーバーヒートしそうです。温度コントロールの可変抵抗に固定抵抗をかませて上限設定すればいいのですが、まぁいいかと。
  Acrylic Heater_Temp control middle  Acrylic Heater_Temp control max

  所要電流はつまみ最大で約2.4A、中央で約1.2Aなので、160℃付近で使用している時は20数Wの熱源になっている事になります。


4.使用感
  本番前の練習も兼ねて、アクリル板の切れ端を使用して少し使ってみました。
  アクリルの曲げ作業は思った程難しくはなさそうで、何度か試行錯誤を繰り返してコツを掴んでいけば何とかなりそうです。私のようなアクリル工作初心者には、温度計で目安が把握できることが思った以上に便利です。
  それにしても、ヒータ(アルミパイプ)の高温は要注意です。不用意に触って指先をちょっと火傷してしまいました。「高温注意」のラベルだけでは効果はなく、作業終了時にはカバーでも被せる必要があります。

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