nobuの雑記帳「+バイアスを少し」

近頃なぜか真空管や電子工作に興味を持ちだし、日常生活に少しの刺激と楽しみをプラスしようと、凝り固まった頭の体操も兼ねてこの雑記帳を綴ることにしました。
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超音波レコード洗浄器の試作(発振部)

 超音波発振部の試作に必要な部品を集め、さっそく組んでみました。
 できれば、回路や作動原理をきちんと理解してから製作すべきですが、PICプログラムがよく理解できていない所もあります。先ずは製作することを優先して、後々時間をかけて理解を図るつもりです。
  Ultrasonic_Transducer Driver Assy


1.部品集め
  特殊な部品は超音波振動子とフェライトコア程度です。
  超音波振動子は40kHz、60WのBLT(ボルト締めランジュバン)型を3個入手しました。今回使用するのは1個だけですが、他2個は旨くいけば汎用クリーナでも作ろうか計画兼予備です。
  入手したBLT型振動子の外観はこんなもので、2枚重ねのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)型振動子を上下から金属ブロックでサンドイッチにしてボルト締めした構造です。お尻のボルトを弄ると特性が変わってしまいます。頭にはタップが切ってあり洗浄槽に固定するため?のスタッドも付属しています。
  Ultrasonic_Transducer used  Ultrasonic_Ferrite core

(H28.10.17追記)
 今回使用した超音波振動子の簡単な計測を行いました。何せ1個15US$以下の値段だったし詳細なスペックシートも付いてこなかったので、本当に共振周波数が40kHz型?と少し疑っていました。
 特性インピーダンス計測は難しいですが、共振周波数だけなら比較的簡単です。振動子は共振点ではLC直列共振特性を示し、インピーダンスが最小となります。そこで振動子と直列に抵抗を入れてこの両端電圧を計測することにより、周波数特性が計測できます。(もちろんレベル軸の絶対値は当てになりませんが)
 こうやって計測した結果が下のグラフです。自由空間(タオルの上)、水の中及びアルミ板の上と、3つの異なる状態で計測した結果です。予想に反して共振周波数はきちんと40kHzとなっていました。疑ってスミマセン。
  Ultrasonic_Transducer Resonance freq at free 2  Ultrasonic_Transducer Resonance freq at free 1
  Ultrasonic_Transducer Resonance freq in water  Ultrasonic_Transducer Resonance freq on Al plate
  Ultrasonic_Transducer Resonance freq graph

 水に入れると共振周波数が少し下がっているのが興味深いです。おそらく取付け方法や洗浄物によっても変化するものと思われ、業務用の超音波洗浄器が自動共振周波数追尾機能を持っていることもうなずけます。
(追記ここまで)
  
  振動子は、共振インピーダンスは20Ω以下ですが共振点を外れると大きく上昇するようです。出力段とのインピーダンスマッチングのためにトランスを使用するので、トランスを巻くためのフェライトコアとボビンも準備しましたが、コアはこれで良いのか?きちんと巻けるか(性能が出るか)?不安です。
  発振周波数の制御はPICで行い出力段のMOSFETを直接制御するため、ここで使うMOSFETはロジックレベルでかつON抵抗が小さいものが必要です。


2.組み立て
 (1) 超音波振動子
   端子が露出していて危険(おそらく感電に十分な電圧)だし、裸のままでは水に浸すことができません。とりあえず端子部を絶縁(防水)シールして使用することにします。端子には熱を加えない方がいいだろうと思い、リード線の接続は圧着端子を使用してビス止めとしました。
  Ultrasonic_Transducer module

 (2) マッチングトランス
   当初はスイッチング電源から取り外した小型トランスを分解して、フェライトコアを流用しようとしましたが、なかなかきちんと分解できません。(ワニスで固着しているし、フェライトは割れやすいし、手は汚れるし・・・)
   仕方がないので別途フェライトコアとボビンを入手しましたが、コアの磁気特性等がこれで良いのか??です。考えても仕方がないので巻いてしまいました。一次巻線はビニル被覆線で二次巻線はUEW線を使用し、最後にワニスで固めました。
   30mm角程度のトランスですが、こんなので数十Wに耐えられるのだろうか?もう少し大きなコアが良かったかなと、巻いた後で心配になってきました。
  Ultrasonic_Matching trans

 (3) プリント基板
   回路は比較的簡単ですが、後々同じ回路で組むことも考えて基板を製作しました。この1枚に発振部から出力段までの全ての部品が載ります。
   出力段はパターンを極力太くし、ケミコンも低ESR型を使用して電源インピーダンスを小さくします。GNDは初段(発振)と終段とで分離し、ノイズの影響を少なくしています。
  Ultrasonic_Driver PCB

 (4) 基板組み立て
   特殊な部品はないのでサクッと組み上がりました。基板サイズは95mm×55mmで少し窮屈なところもありますが良しとしましょう。STARTスイッチとタイマー用可変抵抗は外付けで、表示用に2つのLED(電源表示、RUN表示)があります。
   MOSFETは良さそうなものが見つからなかったので2SK3140を使用しましたが、こいつはターンオフ・ディレイ時間が長く入力容量も大きいので大丈夫かな?MOSFETの発熱は大したことはないと思いますが、念のため小型ヒートシンクを取り付けました。
  Ultrasonic_PCB Assy

 (5) 電源部
   電源容量はDC12V 2.5A程度が必要です。手持ちのACアダプターを必要により改造(電圧変更)して使用するつもりですが、当面の作動確認は外部電源装置を使用します。


3.作動確認
  いよいよ作動させてみます。
  先ずは、MOSFET段を切り離して(電源パターンをカット)、初段のみで作動確認を行います。写真のオシロ画面がMOSFETのゲート入力波形の一例です。このモードでは発信周波数は19kHz~42kHzを不規則にスイープしており、時間軸速度を落とすと周波数単位でバーストしていることが分かります。初段は問題なく作動しています。
  Ultrasonic_Plobe on
  Ultrasonic_Wideband sweep  Ultrasonic_Burst wave

  次は、実際に振動子を接続して作動確認です。プラ容器に水を入れて、底にアルミホイルを敷いて約10mm高の発泡スチロール片の上に振動子を載せました。振動子は先端(放射面)が20mmほど水に浸かっています。
  Ultrasonic_Preliminary test

  今度はモードをハイパワーのモードに変えました。(不信心ながら)両手を合わせさらに十字を切って恐る恐るSTARTスイッチを押しました。おぉ!すぐにシュイーン・・・という耳障りな音(おそらく低調波や混変調波)が聞こえてきました。問題なく作動しているようです。この時の消費電流はピークで約2.0Aでした。
  約2分後のアルミホイルの状態は写真のとおりです。振動子付近は大きく破損しており、周辺には微細な穴が多数開いています。
  Ultrasonic_Breakage of aluminum foil  Ultrasonic_Detail of aluminum foil

  さあ、次回はもう少し詳細に作動確認をしてみましょう。

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