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nobuの雑記帳「+バイアスを少し」

近頃なぜか真空管や電子工作に興味を持ちだし、日常生活に少しの刺激と楽しみをプラスしようと、凝り固まった頭の体操も兼ねてこの雑記帳を綴ることにしました。
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アクティブクロスオーバの製作(基板組み立て)

 先のウーファ用イコライザの製作でも書きましたが、ただ今アクティブクロスオーバ(チャンネルディバイダ)を製作しています。
 私の貧相ななんちゃってオーディオでは、いまだにNS-1000Mをメインスピーカに使用しており、こんなシステムにはチャンネルディバイダなど無用の長物ですが、お遊びがてら製作に着手しました。
 先月(4月)下旬より少しずつ仕様検討、回路計画、基板製作と進めてきましたが、やっと基本的な特性確認までが終了しました。
  Xover_View of PCB Completed 2


1.NS-1000とのつき合い
 オーディオのまね事や電子工作を始めた10年ほど前に、取りあえずで入手した中古のNS-1000Mですが、未だにメインスピーカの座にいます(新しいのが買えません)。でも、初めてその音を聴いた時は、分解能が高くて低域の力強さに感心した反面、中高域の五月蠅さやざわつきが気になって仕方がありませんでした。
  Xover_View of NS-1000

 程なくして、ネット上でNS-1000MのSQ/TWのタイムドメイン特性と先人のコメントを見つけ、中高域の五月蠅さはSQの高域での立ち下がり領域の乱れが主要因、またTWは3kHz以上で素直な特性を持っていると判断しました。リンクは既に切れており、マナー違反を承知で当時の特性図をここに示します。
  Xover_Time Domein Response of NS-1000M TW & SQ

 NS-1000Mのオリジナルの公称クロス周波数は、図の仕様(特性)より500Hzと6kHzとなっています。
    Xover_NS-1000M Freq characteristics  Xover_NS-1000M Network Diagram

 SQとTWとのクロス周波数を4kHz台に下げることで、耳に付く五月蠅さを緩和できると当時考え、ネットワークにコンデンサを追加して、SQとTWとのクロス周波数を(計算上)約4.2kHzとなるようにしてあります。
 これにより、全体としての分解能の高さは維持されつつ、特徴である中高域の五月蠅さがすっかり影を潜め、(私にとっては)素直な音を奏でてくれるようになりました。また併せて、バイアンプ駆動ができるようにネットワークをWFとSQ+TWに分割し、背面端子の交換・追加も実施済みです。
  Xover_Network of NS-1000M  Xover_Rear Terminal of NS-1000M


2.マルチアンプで鳴らしてみよう
 私自身は所謂マニアでもないし先立つものも無いため、最新スピーカに買い換えることはほぼあり得ない状況です。今のNS-1000M改に大きな不満はありませんが、お遊び心でマルチアンプ駆動でも試してみたいと思います。


3.アクティブクロスオーバの計画
 と言うことで、先ずはアクティブクロスオーバ(チャンネルディバイダ)を入手しようと思います。巷では、お金さえ出せばメーカ製のチャンネルディバイダが購入でき、デジタル処理タイプのものまであります。これら高額、高性能品は私のシステムには似合わないので、非効率を承知で自作することにします。
 クロスオーバのナンタラについて講釈をする程の知識も経験もないので、細かな説明は省きます。ネットで仕入れたにわか知識を元に、エイヤッで以下の仕様としました。

 (1) 主要仕様
  周波数帯分割:2ウェイ及び3ウェイ
  低域(WF-SQ)クロス周波数:500Hz(計画)
  高域(SQ-TW)クロス周波数:4.2kHz(計画)
  スロープ特性:24dB/oct
  全体ゲイン:0dB
  入出力型式:平衡(不平衡対応)入力/不平衡出力

 (2) フィルタ特性について
  NS-1000M内蔵のパッシブネットワークは12dB/octなので、これに合わせるのが一番無難ですが、各ユニット間の干渉を極力避けることができるように24dB/octとします。
  よって、フィルタはお馴染みのLinkwitz-Riley alignmentフィルタを、オペアンプで構築します。このフィルタはクロスオーバポイントで-6dBの応答特性を持ち、通過するフィルタセクションにかかわらず信号が(極めて)同相であり、各フィルタ段(Low、Mid、High)の合成出力は(極めて)フラットという特徴を持っています。すなわち、クロスオーバ回路として、ディップやピークが無く位相ずれが生じないという、何の着色もしない適した特性を持っています。


4.回路検討
 今回は、上記で述べたLinkwitz-Rileyフィルタの基本回路を組み合わせて、2way及び3wayに対応できるようにします。なお、4次フィルタなので、周波数を連続可変するには高精度の多連可変抵抗(片chで少なくても8連型)が必要となるため非現実的であり、クロスオーバ周波数は固定とします。ソケット式にしてC&Rを差し替える方法もありますが、製作が面倒だし決め打ちで行きます。

 Linkwitz-Rileyフィルタの基本回路及び今回製作したブロック図を次に示します。基本回路のハイパスとローパスを組み合わせてバンドパスにすることもできます(殴り書きでスミマセン)。C&Rの定数は簡単な計算式で求まります。
  Xover_Basic Schematic & Diagram

 実際の回路を組む場合は、フィルタの前後(入力と出力)にはバッファ段を入れて、外部回路の影響がないようにすることが大切です。今回はラインアンプが平衡出力のため、入力バッファは平衡/不平衡対応としましたが、出力は不平衡のみです。


5.製作
 (1) 使用部品
  特殊なものはありません。オペアンプは汎用品(NJM2114)を使用しました。フィルタ段は全てユニゲイン動作のため、ノイズには気を付けるものの、高価格品(≒オーディオ用?)である必要は全くありません。オーディオ用パーツ依存症でどうしてもと言う方は、バッファ段に使うのはアリでしょう。
  フィルタ段(できれば平衡バッファも)は、C&Rのマッチング(誤差)には出来るだけ気を付けて下さい。Rは1%金属皮膜抵抗から選別して0.2%以内に揃えました。Cは1%品は高価で入手難のため、廉価な5%品から選別して2%以内に揃えました。なお、マッチングは、絶対値よりも相対値を揃えることが重要です。

 (2) プリント基板
  回路は単純とはいえ、左右チャンネルでそれなりの部品数となるので、ユニバーサル基板に組むのは根気が続きそうもなく、やむなく基板を製作しました。
  Xover_PCB Pattern

  本当は両面基板(ノイズ対策として片面ベタグランド)が望ましいのですが、1枚製作して2枚目の生基板が無いことに気付き、めげながら片面に作り替えました。出来は良くありませんが、上の写真はプリント基板の外観です。左右ch別々です。

 (3) 基板組み立て
  Xover_View of PCB Completed 1  Xover_PCBs Completed

  淡々とハンダ付けするだけで、難しいところはありません。オペアンプソケットは無くても良かったですね。同じ値の部品が多いので間違えないように。フィルタ段のRのカラーコードが見難くて(老眼ではない・・・)、特性計測の結果で2日ほど悩みました。
  組み上がったプリント基板は写真のとおりです。C&Rの微調整用に予備の穴が幾つか残っていますが、今回は使っていません。ジャンパーピンは2way/3wayの切替えです。


6.特性計測
 (1) 周波数特性
  自作の周波数特性測定器で、信号源インピーダンス600Ωにて10Hz~100kHzまでを計測しました。
  Xover_Measurement of Freq Response

  計測結果はグラフのとおりです。なお、左右基板の差は殆どありません。
  Xover_Active Crossover (3way) Freq Response  Xover_Active Crossover (2way) Freq Response

  3way構成では、Low(緑)、Mid(青)及びHigh(赤)の3つのグラフが描かれています。Linkwitz-Riley(24dB/oct)の特徴として-6dBでクロスオーバしており、このポイントの周波数がクロスオーバ周波数です。クロスオーバ周波数は約490Hz(計画500Hz)及び約4.2kHz(計画4.2kHz)と、はほぼ計画どおりでした。各グラフの頂部(最大ゲイン)はほぼ0dBで、これも計画どおりです。
  2way構成のクロスオーバ周波数は、当然ですが約490Hz(計画500Hz)でした。


 (2) 位相ずれ
  Linkwitz-Rileyフィルタは(極めて)位相ずれが無いとはいえ、部品常数の誤差等に起因する位相ずれは避けられません。位相計測できるような専用計測器は持っていないので、簡易的に計測してみました。
  前に示した計測時の写真で見られるように、オシロを利用して概略の位相差をチェックしました。クロスオーバ周波数の正弦波信号を入力し、LowとMid及びMidとHighの各出力波形の時間差を計測することで位相差が把握できます。計測結果は次のとおり。
   ・低域クロスオーバ周波数490Hz(LowとMid) :時間差22μs→約3.9度
   ・高域クロスオーバ周波数4.2kHz(MidとHigh):時間差3.2μs→約4.8度

  この程度の位相差は、聴感上は殆ど問題にはならないだろう(根拠無し・・・)と納得していますが? 他の周波数は、面倒くさいので計測していません。


7.今後
  電源部の回路も考えなくてはいけません。消費電流は基板1枚あたり約65mA×正負なので、適当な小型電源でOKだと思います。トランスやケースの手持ちがなく、秋葉原に買い出しに行かなくてはなりません。のんびりと進めます。

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