nobuの雑記帳「+バイアスを少し」

近頃なぜか真空管や電子工作に興味を持ちだし、日常生活に少しの刺激と楽しみをプラスしようと、凝り固まった頭の体操も兼ねてこの雑記帳を綴ることにしました。
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ΔLOOP9アンテナのヌル調整 (ノイズ発生器で徹底調整)

 先日製作したΔLOOP9アンテナ(ループアンテナ、アンプ部及び電源部)はお気楽リスナーである私には手頃でほぼ満足していたのですが、どうしても気掛かりな部分があり思い切って対策を行うことにしました。

 気になる点は次の2点です。
 ① ヌル調整が中途半端で、徹底的に追込みたい。
 ② 屋内仕様のためどうしても感度的に不満である。

 そこで、①のヌル調整を徹底的に追込むべくトライしてみました。
 その結果、ほぼ満足できるレベルに追い込めたと思います。心なしか受信音もノイズが少なくクリアに聞こえる気がします。

ノイズ発生器_調整装置

(1) アンプ部のヌル調整
 景山氏がネットで公開されているΔLOOPアンテナシリーズは、磁界型ループアンテナで拾った信号のうち、2つのアンテナ端子に生じる空間ノイズ等の同相成分をアンプ部の差動アンプ回路で打ち消すことで、ノイズフロアが低くなり信号のS/Nが向上する仕組みです。(と言う理解であっているのかな?)

 そのため、差動アンプ回路のヌル調整が重要になり、この調整如何ではせっかくのΔLOOPアンテナの特長が生かされず、十分な能力が発揮できない状態で使用することになります。

 景山氏のホームページでは、ヌル調整として次の二つの方法が紹介されています。
 ① アンプ部の2つの入力をショートして数m程度のワイヤーアンテナを接続し、受信機を信号がない周波数に合わせてバックノイズが最小(Sメータや聴取音)となるように差動アンプ回路の半固定抵抗を調整する。
 ② 上記と同様にして、受信機でフェージング等がなく安定した局を受信し、受信レベル(Sメータや聴取音)が最小となるように差動アンプ回路の半固定抵抗を調整する。

 ①、②の方法共に、空間ノイズやフェージング等によるSメータの変動が少なからずあり、またSメータの精度も不明で、本当に最適位置に調整できたかどうか確信が持てません。出来れば安定したSGか何かでRF信号を入力して調整するのが理想だと思います。


(2) ヌル調整方法の検討
 高価なSGなど持っていないので、お手軽かつ確実にヌル調整が出来る方法を考えます。また、調整の状態を定量的に観察すると共に、視覚や聴覚で最適ポイントを判断できる方法が便利です。

 無線関係の知識が乏しいのでネットや書籍で調べて、私の目的に合った方法として次を選択しました。
 ① HF帯をカバーするノイズ発生器をSG代わりに使用する。
 ② ノイズにAM変調をかけて、受信機のスピーカからの音を聴取する。
 ③ スピーカ出力音をPCのFFTソフトでスペクトル表示し、目視でも確認する。


(3) ノイズ発生器の検討
 HF帯程度であれば半導体PN接合に逆電圧をかけて発生する広帯域ノイズを利用することが手軽です。同様な方法は以前製作した「低歪み発振器」のホワイト/ピンクノイズ発信部にも使用しており、この時はツェナーダイオードを使用しました。
 適当なトランジスタやダイオードならどれでもいけそうですが、レベルが小さいので多少増幅する必要がありそうです。

 AM変調をかけるアイデアは、7L1WQG氏が公開されている広帯域ノイズジェネレーターの製作 part2を参考にさせていただきました。有難うございます。
 タイマーIC555で可聴周波数の方形波を発振させ、そのON/OFFでノイズ発生部に電圧を印加することで、AM変調された広帯域ノイズが発生することになります。方形波なので基本周波数以外に2倍、3倍・・・と多くの高調波が生じますが、オーディオ信号の計測ではないので問題ありません。

 タイマーIC555の回路はデータシート記載の標準回路で、ノイズ発生部は半導体のPN接合に逆電圧をかけ、その出力を3段のエミッタ接地トランジスタアンプで増幅して出力しました。汎用回路なので回路図は省略します。

 (2013年5月5日)遅くなりましたが回路図を追加しました。手描き資料から書き写したので間違いがあるかも。ご注意下さい。
ノイズ発生器_回路small


(4) ノイズ発生器の製作
 ユニバーサル基板の切れ端に組み始め、チェックしながら回路変更や追加をしつつカットアンドトライで組んだので、機能の割にはゴテゴテしています。整理すればもう少しスマートに出来るはずです。

 タイマーICはLMC555を使用して可変抵抗で約50~1200Hzが可変出来ます。この出力をPN接合部に印加するのですが、可変抵抗でノイズ発生レベルを調整します。

 使用する半導体は何が最適か分からないので、チェックして取り替えられるように2Pのピンヘッダを設けました。
 ジャンクパーツの中から使えそうな半導体を拾い出してきて、手当たり次第に交換して発振強度や帯域を受信機で確認しました。基本的にはどれでもノイズは発生するものの、最も成績が良かったのが2SC466のベース~エミッタ間でした。

ノイズ発生器_基板アップ  ノイズ発生器_基板&半導体

 発生した広帯域ノイズはそのままではレベルが不足(受信機のSメータで2~3程度)なので、2SC945で3段増幅を行いました。1段ずつ追加して確認し3段で何とか満足できるレベル(Sメータで9+20dB以上)になりました。


(5) ノイズ発生器の組み立て
 頻繁に使用するものではないので、小型ケースに押し込んで電源はACアダプタとしました。本体は片手に収まるくらいの小型に出来ました。
 パネル面の電源スイッチは3ポジション型で、上に倒すとノイズ発生+AM変調、中間でOFF、下に倒すとノイズ発生のみとなります。
 二つのツマミは変調周波数調整とノイズ出力レベル調整です。ノイズ信号は背面のBNCコネクタから出力します。

ノイズ発生器_onハンド  ノイズ発生器_内部


(6) ヌル点調整の実際
 ① アンプ部の設定
 ΔLOOP9アンテナからエレメントを取り外し、アンプ部の2つの端子をショートしてその一端とケース(アース)間にノイズ発生器の出力を接続します。
 なお、ヌル点の調整は非常にクリチカルで、アンプ部の蓋を開けたり基板に手を近づけただけでも調整点が若干ずれてしまいます。
 そのため、私はアンプ部のケースに調整用の穴を追加で開けました。ここから調整用ドライバを差し込むことで、周囲の影響を避けることが出来ます。
 私のアンテナは屋内仕様なので穴があっても問題ありませんが、屋外仕様の場合は別途考える必要があります。

ノイズ発生器_調整用孔


 ② 受信機の設定
 周波数はどこでも良いと思いますが10MHz程度に合わせておき、ノイズブランカやAGC、プリアンプ等は全てOFFが良いでしょう。モードをAM(出来ればナロー)にします。

 ③ PCの設定
 PCのFFTソフトで受信音のレベルを定量的に把握します。
 FFTソフトは何でも構いませんが、私はefu氏が公開されているフリーのWaveSpectraを使用しました。
 WaveSpectraは高機能で使い勝手も良く、オーディオアンプ製作では便利に使用させて頂いております。有難うございます。
 受信音のスペクトルレベルの変化を見るだけなので、細かな設定は適当でOKです。受信機のスピーカ出力をPCサウンドカードに取り込みFFT表示できるようにし、ノイズ発生器のAM変調ノイズの受信機出力音のスペクトルを観察します。

 ④ ノイズ発生器の設定
 出力は受信機のSメータが9程度になるようにし、AM変調音は1KHz前後の聞きやすい音にします。

 ⑤ 調整手順
 ノイズ発生器のスイッチONで受信機のSメータが振れて受信音が出力されます。同時にPCのFFTソフトに当該周波数(変調音)のスペクトルが表示されます。基本周波数以外にも2倍、3倍・・・の高調波が表示されますが、見るのは基本波だけでOKです。
 アンテナのアンプ部の半固定抵抗をゆっくり回していくと、Sメータ指示が下がり受信音が小さくなる箇所があります。FFTスペクトルもレベルが大きく下がります。(下図参照)

ノイズ発生器_ヌル未調整WS画面  ノイズ発生器_ヌル調整後WS画面

 大体の当たりを付けたら次は微調整で追込みます。
 ヌル点の最適ポイントを探すには、受信機のSメータ、FFTソフトの基本波スペクトルのピーク値、受信音の3つを駆使します。当たりを付けるまではSメータとFFTソフトが参考になります。
 最後の追込みはノイズ発生器のレベルを最大にして、受信音が聞き取れるかどうかといったクリチカルな領域になり、耳での確認がやりやすいと思います。合わせて指先の微細なコントロールも必要です。

ノイズ発生器_調整外観

 ヌル点を追込むと、ノイズ発生器の最大出力でもSメータの針は殆ど振れなくなり、FFTスペクトルもノイズレベルすれすれまで下がり、受信音は殆ど聞こえなくなります。
 こうなればヌル調整は完璧で、アンテナ性能、自己満足感共に最大値となります。


(7) 調整後のアンテナの感想
 前回は放送局の電波を使用して受信機のSメータを見ながら調整しましたが、今回再調整した結果との比較では、受信感度の面では若干向上したように思います。
 さらに、ヌル調整を追込んだことで周波数帯全体が静かで見通しが良くなり、微弱な局までが数多く聞こえだしたように感じます。
 とにかく信号が無いところではノイズフロアが非常に低く、耳障りなノイズが軽減されていることが実感できます。

 今回徹底的に調整を行って、ΔLOOPアンテナのヌル調整はアンテナ製作以上に重要かもしれないと感じました。まあ、一番効果があったのは、やはり自己満足の気分の面かもしれません。

 私の屋内仕様のΔLOOP9はこれでひとまず完成です。ΔLOOPシリーズを公開されている景山氏に改めてお礼申し上げます。
 次は屋外仕様の製作にもチャレンジしたいと思います。

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